葛西説教20230723①

1.テキスト「士師6:11～40」

2.タイトル「そのままの力で行け！」

3.中心聖句「士師6:14」

「あなたのその力で行き、イスラエルをミデヤン人の手から救え。わたしがあなたを遣わすのではないか。」

4.本文「そのままの力で行け！」

　序)「小心者も勇士に！」

　「あなたがたの鋤を剣に、あなたがたのかまを槍に、打ち直せ。弱い者に『私は勇士だ』と言わせよ。」(ヨエル3:10)。

　神は、御自身の戦いのために、どんな弱い者をもお使いになることができます。もし彼が、みことばと主に信頼し、主に従う者であるならば。すなわち、私たちがヨシュア1章で教えられたヨシュアの勝利の秘訣、「信仰」、「聖書」、「臨在」です。ギデオンはそういう人でした。新約聖書へブル11章32から34節も、そう証言します。ギデオンはミデヤン人の目を避け、酒ぶねの中で小麦を打つ小心者でした。

　しかし神は、彼に「勇士よ」(6:12)と語りかけ、イスラエル救済のリーダーとして召し出しました。彼は、自分の無力を承知の上で、主の臨在があれば勝利を得るとのみことばと信仰に立ち、与えられた召命を見事に果たしました。

　神は、今も、この世界に、神のために「信仰」「聖書」「臨在」により、戦うギデオンを求めておられるのです。

本論)「そのままの力で行け！」

Ⅰ.「ストーリー」

　カナンの地にはミデヤン人がいて、イスラエル人は彼らに作物をたびたび奪われていました。そのためギデオンという若者はミデヤン人に見つからないように、こっそり酒ぶねに隠れて小麦を打っていました。そこに突然主の使いが現れて、「勇士よ。主があなたといっしょにおられる」と告げました。これを聞いたギデオンは驚きました。主の使いは「あなたのその力で行き、イスラエルをミデヤン人の手から救え」と命じます。ギデオンはさらに驚いて「とんでもない。私はマナセ部族でも一番小さく弱いのです」と断りました。しかし、主は「わたしが共にいるから、ミデヤン人全員を、たった一人のように負かすことができる」と太鼓判を押されます。そこで彼は、このことが自分の思い違いではなく、本当に神からの命令であることを確認するために、しるしを求めました。主の使いは、ギデオンが用意したやぎの肉とパンの供え物を岩の上に置かせ、岩から火を燃え上がらせて、それを焼き尽くすしるしを見せました。そこでギデオンは、この約束と命令が神からのものであると確信しました。

　その夜、ギデオンは神の命令通り、自分の父が祭っていたバアルの祭壇を打ち壊し、アシュラ像を切り倒しました。

　そして、いよいよミデヤン人との戦いのために、ギデオンは仲間を集めました。そこで彼は、もう一度、神のしるしを求めました。一度目は地に置いた羊の毛だけが露でぬれるように、次は地面が露でぬれているようにすることです。神は、ギデオンが求めたしるしをその通りにしてくださいました。

　ところが、戦うミデヤン軍は13万5千人（8:10）、対するギデオンたちは、3万2千人でした。にもかかわらず、神は兵を減らしなさいと言われます。それはイスラエル人が「神の手ではなく、自分の力が自分を救った」と言わせないためでした。それでまず、恐れおののく者を帰らせました。すると1万人になりました。そして水の飲み方で帰らせました。残ったのは3百人でした。そして戦いの夜を迎えます。神が教えたように、武器はラッパと、たいまつを中に入れた空のツボです。100人ずつ3組に分け、敵を囲み、合図で一斉にラッパの音を響かせ、ツボを砕きました。夜の間に突然の騒音とたいまつの炎にミデヤン軍はすっかりあわててしまい、同士討ちを始めました。そしてとうとう逃げ出してしまいました。ギデオンたちは、3百人で13万５千人のミデヤン軍に勝利することができました。

Ⅱ.「この個所が教える真理」

　神は、ギデオンのように小心な弱い人も用いられます。神が共にいて、力を与えてくださるからです。神の戦いでは、人数の多さや肉体の強さで勝敗は決まりません。すなわち、この世の勝敗を決めると言われるポイント「人」「もの」「金」だけでは、神の戦いの勝敗は決まらないのです。先に大切なことは「信仰」「聖書」「臨在」と話しましたが、聖書に慎重に聞くこと、間違いなく神のみこころと分かったら、その通りに挑戦する信仰で決まるのです。

Ⅲ.「あなたどうしますか」

　あなたは本当の強さを持っていますか。神の戦いでの強さとは、みことばに聞き、神と共に挑戦する信仰です。神を信じている人でも、神ならぬものを神とすると堕落します。どうか、あなた方には、自分の弱さを知り、神のみことばに慎重に聞き、神と共に挑戦する信仰を持っていただきたいと願います。そうするとき、どんな敵にも打ち勝てるのです。

まとめ)「そのままの力で行け！」 

　イスラエル人は、神の命令に背いて、すべてのカナン人を打ち滅ぼすことをしなかった。しかし神は、カナン人を強制排除されることもなかった。それは、イスラエル人が「主の道を守ってそれに歩むかどうかを試みるため」と聖書は言います。神はギデオンのように、神のことばに慎重に従うことによって敵に勝利し、きよくされていくよう導いておられます。