福音伝道教団

葛西福音キリスト教会

礼拝聖書のお話し

2023年2月18日(日)礼拝メッセージ

「あなたのタラントは?」

葛西説教20240218

1.テキスト「マタイ251430節」

2.タイトル「あなたのタラントは?」

3.中心聖句「マタイ2521節」

 「よくやった。良い忠実なしもべだ。」

4.本文「あなたのタラントは?」

 序)「イエスの終末の教え」

 イエスは終末に備えるクリスチャンの態度について、25章で三つの説教を用いて詳しく語っています。24:45に「忠実な賢いしもべ」とありますが、前回の25:113では賢さについて焦点が当てられています。そして25:1430は「タラントのたとえ」と呼ばれているところです。ここは忠実な賢いしもべの忠実さについて教えられています。

この個所も、良い忠実なしもべと悪いなまけ者のしもべの登場によって、「忠実さ」が浮き彫りにされています。この忠実な(ピストス)ということばは、マタイには5回だけ出て来ます(24:2525:212回、25:232)。このことからも、このたとえが終末におけるクリスチャンの忠実さを教えていることがわかります。

 

本文)「あなたのタラントは?」

.「預けられたタラント」

 「しもべたちを呼んで、自分の財産を預け、旅に出て行く人」(14)がいました。「彼は、おのおのその能力に応じて、ひとりには五タラント、ひとりには二タラント、もうひとりには一タラントを渡し、それから旅に出かけ」(15)ました。

 「旅に出て行く人」(14)とは、この後、天に帰るイエスを指しています。「しもべたち」(14)はクリスチャンを指しています。イエスは、私たちがこの地上で実を結ぶ信仰生活を歩めるようにと、必要な資源や能力を与えてくださっています。その個々の分量には違いがありますが、それは各自にふさわしいものです。

 一タラントは六千デナリとされ、一デナリは1日分の賃金ですから、一タラントは20年分の年収に当たります。ですから「五タラント」は大きな資金です。「一タラント」でも、一つの会社を立ち上げるのに、十分な資金と思われます。

 

.「良い忠実なしもべの褒美」

 「五タラント預かった者は、すぐに行って、それで商売をして、さらに五タラントもうけた。同様に、二タラント預かった者も、さらに二タラントもうけ」(16.17)ました。最初のしもべは行動が早く、彼は自分の能力をフル回転させて、主人から預かった資金を上手に活用し、それを倍に増やしました。第二のしもべもこれに準じています。

 「よほどたってから、しもべたちの主人が帰って来て、彼らと清算をした。すると、五タラント預かった者が来て、もう五タラント差し出して言った。『ご主人さま。私に五タラント預けてくださいましたが、ご覧ください。私はさらに五タラントもうけました』。その主人は彼に言った。『よくやった。良い忠実なしもべだ。あなたは、わずかな物に忠実だったから、私はあなたにたくさんの物を任せよう。主人の喜びをともに喜んでくれ』」(1921)と。主人は第二のしもべをも同様に褒めて、報いを与えます。

 「五タラント」や「二タラント」が「わずかな物」だというのだから、その後、彼らに託された「たくさんの物」は、計り知れないほど莫大な資産です。彼らは主人の願いを悟って、それに忠実に応えたので、主人に大いに喜ばれました。

 私たちの「主人」であるイエスは私たちに、預けた資源や能力を神の国のために活用することを求めておられます。私たちは与えられた恵みを自分だけの楽しみにとどめず、積極的に用いて、拡大再生産するべく努力しなければなりません。実を結ぶクリスチャンの特徴は「忠実」です。「主人」であるイエスが再臨される時、良い忠実なクリスチャンには、御国においてさらに大きな使命が与えられるでしょう(黙示録5:10)

 

Ⅲ.「悪いなまけ者のしもべに対する処罰」

 一方、「一タラント預かった者は、出て行くと、地を掘って、その主人の金を隠し」(18)ました。「金」とは「銀貨」の意味です。地面に金銭を隠すことは古代社会では普通に行われていたことです。

 主人が帰って来てから、先のしもべたちに続いて、「一タラント預かっていた者も来て、言った。『ご主人さま。あなたは、蒔かない所から刈り取り、散らさない所から集めるひどい方だとわかっていました。私はこわくなり、出て行って、あなたの一タラントを地の中に隠しておきました。さあどうぞ、これがあなたの物です』」(24.25)と。このしもべは自分の消極的な行動を主人の性格のせいにして、言い逃れを図ります。

 主人は「悪いなまけ者のしもべだ」と彼を叱り、「だったら、おまえはその私の金を、銀行に預けておくべきだった」(27)と彼のなまけたことを責めました。そして、主人は彼が返したタラントを取り上げて、十タラントを持っている者に与え、こう命じました。「役に立たぬしもべは、外の暗やみに追い出しなさい。そこで泣いて歯ぎしりするのです」(30)と。これはイエスの再臨の時に天国に迎え入れられない不信仰なクリスチャンの姿を象徴しています(24:51)

 

勧め)「あなたのタラントは?」

 皆様の中で、他人と比較して自分には資源や能力が足りないと嘆いて、無為に時を過ごしている人はいませんか。イエスは言われました「だれでも持っている者は、与えられて豊かになり、持たない者は、持っているものまでも取り上げられるのです」(25:29)と。イエスは一人ひとりに必ずふさわしい賜物を与えておられます。まず、今自分にできることからチャレンジしましょう(ルカ16:10.19:17)。忠実な者には豊かな報いがあるのですから。