葛西説教20230226①

1.テキスト「ヨハネ11:17-44」

2.タイトル「信仰の可能性」

3.中心聖句「ヨハネ11:40」

「もしあなたが信じるなら、あなたは神の栄光を見る」

4.本文「信仰の可能性」

　序）「道は平らと言うが」

　今週のはじめ、私は交通事故の被害者になってしまいました。そのとき、私は頭の中で、「道は平ら」というみことばの意味を考えていました。私は横断歩道を自転車で渡っている時、左から来た一旦停止を無視した車にノーブレーキではねられました。神様は私の人生の道を「平ら」にはしてくれませんでした。このことをどのように受け止めるのかと、信仰が試されました。

　本日のテーマは「信仰の可能性」です。この「信仰の可能性」は、先週お話した「宣教の可能性」とも関係があるテーマです。

本論）「信仰の可能性」

Ⅰ「ラザロの死」

　エルサレムから三キロほど離れたベタニヤという村に、マルタ、マリヤそしてラザロという仲の良い姉弟がいました。イエス様は何回かベタニヤを訪れて、マルタたちの家に泊まられたことがあったようです。イエス様はこの三人を心から愛され、またマルタたちもイエス様をとても慕っていました。

　ところがとても悲しいことが起こりました。ラザロが大変重い病気にかかってしまったのです。そのことは早速、イエス様のところに知らされました。けれども、イエス様はすぐに出かけようとはされませんでした。三日たってようやく弟子たちとベタニヤに向かわれましたが、ベタニヤに到着したときには、ラザロはすでに死んでしまっていました。お墓の中に入れられて四日もたっていました。

Ⅱ「悲しみに包まれて」

　ラザロが死んでしまい、マルタとマリヤはもちろん、大ぜいの人たちが深い悲しみの中に包まれていました。人々は彼女たちを慰めようと次々とやって来ます。でも何と言って慰めたらよいかわかりません。なんとも言うことができない重苦しい空気が漂っていました。

　そこにイエス様の到着の知らせが入りました。マルタはイエス様を出迎えて言いました。「主よ。もしあなたがここにいてくださったなら、私の兄弟は死ななかったでしょう。」するとイエス様は、「あなたの兄弟はよみがえるであろう」と驚くべきことを言われました。そして「わたしはよみがえりであり、いのちです。わたしを信じる者は、たとい死んでも生きるのです。また生きていて、わたしを信じる者は、いつまでも死ぬことがありません。あなたはこれを信じますか」と言われたのです。マルタは答えました。「主よ。信じます」と。

　そしてマリヤを呼びに行きました。イエス様の足元にひれ伏したマリヤは、泣きながらマルタと同じことをイエス様に告げました。マリヤやそばにいた人たちが泣いている様子をご覧になったイエス様は、身震いするほどの感動を覚えられ深く同情されました。そして、ラザロが置かれている所をご覧になって涙を流されたのです。イエス様も深くラザロを愛しておられたからでした。

Ⅲ.「よみがえったラザロ」

　ラザロのなきがらが納められていた墓は洞穴でしたから、大きな石が入り口に置かれていました。そこでイエス様は、その石を取りのけるように命じられました。マルタが「四日もたっていて臭くなっています」と答えると、イエス様は言われました。「もし信じるなら、神の栄光を見るであろうとあなたに言ったではありませんか。」と。そのイエス様のことばを聞いて、人々は石を動かしました。

　それからイエス様は目を天に向けて父なる神様に感謝をささげてから、大声で「ラザロよ、出て来なさい」と叫ばれました。すると、なんとラザロが体を布で巻かれたまま、墓の中から出て来たではありませんか。イエス様が言われたとおりにラザロは生き返ったのです。イエス様はなんとすばらしいみわざを現わされたことでしょう。